指導方針


 ここでは、当塾において生徒を指導するうえで私が目指す理想を述べておりますが、異なる考えを否定するつもりはありません。生徒を指導する立場の人にはそれぞれ異なる理想があり、その理想は優劣をつけられるものではないと思います。


全般

1.わからないのは教える側の責任

 ある程度やる気がある前提ですが、生徒の「わからない」は教える側の責任だと私は考えています。わからないことを責めるより、どうしてわからなくなったのかを考えるのが先生の仕事です。すべての「わからない」を解決できるわけではありませんが、なるだけ多くの「わからない」を「わかる」に変えられるように努めます。

 

2.学ぼうとする意思に価値がある

 当塾では、学力のある生徒というより学ぶ意思を持つ生徒を大事にしたいと考えています。学ぶ意思といっても、次のテストでいい点取りたいとか、この問題だけは解けるようになりたいとか、そういう小さな目標で十分です。さらに言えば、ちょっと頑張ってみようかなくらいの気持ちでもかまいません。大きくても小さくても、学びたいという気持ちには応えたいと思います。

 

3.ひとりひとりに合わせた説明を

 これまで学んできたことや身につけたことは、ひとりひとり違っています。ある説明で大きくうなずく人もいれば、同じ説明なのに首をひねる人もいます。せっかく個別指導をしているのだから、ひとりひとりに合わせて伝わるように説明をしたいと思います。生徒の顔を見て、生徒の考えを聞いて、ちゃんと納得していることがわかるまで手を尽くしたいと思います。

 

4.時間はなるだけ平等に

 どういう教育が平等かはいまだにわかりませんが、お金をもらって授業をしている以上、ひとりひとりにかける時間はなるだけ平等になるようにしたいと考えています。「3.ひとりひとりに合わせた説明を」との両立が難しく、くわしい説明をしていて時間がかかりすぎることもありますが、時間を平等にしたいという思いは常にあります。

 


教科ごと

小学算数

 ただ単に解法や公式を教えるのではなく、分数、平均、割合、速さなどの数学的な概念が身につくように指導していきたいと思っています。数学的概念とは、たとえば「6分の1=ピザの一切れ」「平均=地ならし」のようなイメージです。どのイメージがしっくりくるかは人によって違いますが、間違っていなければどれでもOKです。このような概念をたくさん身につけることで、初めて見る問題にも強くなり、大人から見たらあり得ないようなミスも減り、中学高校の数学でつまずく可能性も低くなります。

 もう一つ、論理的な思考力も同時に鍛えたいとも思っています。そのために、どうしてその式になるのか、その式で何が求まるのか、解き方を説明してもらうことがときどきあります。解き方を説明することで論理的な思考ができているか確認でき、さらには論理的に考えることの練習にもなります。口頭で説明することが苦手な子には無理には求めませんが、式などはなるだけ書いてもらいます。

小学理科

 理科の問題のタイプとしては、知識問題や計算問題、実験結果などに対する考察問題などがあります。計算や考察が苦手な子には、十分な量の問題を解いてもらいたいと思います。正しい考え方を説明したうえで似たような問題をたくさん解いていけば、少しずつできることは増えていきます。計算や考察に強くなるためには、正しい考え方で解くこと、身につくまで何度でも解くこと、この2つが大切です。

 知識を身につけることについては興味と努力によるところが大きいのですが、写真や絵などと一緒に覚えたり、グループごとに覚えたり、身の回りの現象に結びつけたりなど、ある程度の工夫はできると思います。

 

高校数学

 数学はまず基本問題を完璧に頭に入れてほしいと思います。基本は「もとになるもの」の意味で、必ずしも簡単とは限りません。教科書に載っている問題は、発展内容を除けば全部基本であると言っていいでしょう。二次関数、命題と条件、空間図形、複素数など苦手な人が多い分野には、基本なのに簡単じゃないものがたくさんあります。また、どれを難しく感じるかは人によって違うと思います。自分が難しいと思う基本は何度でも繰り返し、完璧になるまで練習してください。基本が完璧に近づいてくると「これは応用問題だと思っていたけど、単に基本を組み合わせただけじゃないか」と思うことも増えてきます。その頃にはきっと数学が楽しい教科になっているはずです。

 

高校物理

 物理は、理論と感覚をともに育てることを目標として指導を行っています。問題文を読んで内容をイメージするためには感覚が必要で、そのイメージから方針を立てて答えにたどり着くためには理論が必要です。普段なんとなく式を立ててしまっているようなら感覚が、答えは出せても何が起こっているかわからないようなら理論が先行してしまっているのではないでしょうか。理論を育てたければまず法則や公式を丁寧に頭に入れ、問題を解くときはひとつひとつの式の根拠をはっきりさせることが大切です。感覚の方は、いろいろなイラストや写真、映像などを見ることや、問題の正しい答えと自分の感覚をすりあわせることで成長していきます。理論と感覚がともに成長すれば、成績も安定してくることでしょう。